2,481円(税込)以上でネコポス配送無料(最大7日)      

スノーボード

この頃、私はスノーボードにハマっていて、毎週末どこかのゲレンデに行っては車中泊をし、朝から夕方まで滑り倒していた。最後のお楽しみパターンは、京都に帰ってラーメン屋さんや焼肉屋さんに行ってから、お風呂屋さんをセットにするコースだった。

周りも同年代ばかり、生業となるようなモノは決まりかけていたが、まだまだ遊びが優先。雪山に行き慣れた女子チームと一緒に行くことも多く、共学高校に進学したのに、男女の触れ合いを全くしてこなかった私にとっては、部活動をしているような気持ちもあったように思う。

スノーボードがトレンドだった頃だから、やりたい女子も多く「やったことないし連れてって」と言われ、連れて行けばまた違った”春”を楽しめたかもしれないが、この誘いはほぼ断った。
初心者を連れていかなかった理由は一つ。

我々が滑れないから、だ(笑)
しかしながら大した滑りもできない男子がチャラっていたりすると、雪をぶっかけるように横を滑り抜けたりもしていたから、やっていたことは照れ臭さを隠した格好付けの高校時代と何ら変わっていない事が今更ながら恥ずかしい。

モテたいんか滑りたいんかどっちやねん。
どっちも欲しいねん! が正直なところだろう(笑)

スノーボードは、グランドトリックと呼ばれるゲレンデを滑りながら繰り出す技もあれば、民家ぐらいあるジャンプ台から飛び出して繰り出す技、U字に雪を舗装したハーフパイプで次々と技を出して競い合うなど楽しみ方は色々ある。
もちろん普通にゲレンデを滑るだけでも楽しいスポーツだ(笑)

この頃は”トヨタビッグエアー”というイベントが有名で、TVでやっていたので、ご存知の方も多いと思う。本家のこちらは世界ランク上位の有名なプロがビルの5階ぐらいある高さから滑り降りてジャンプする。着地までに縦に横にと回転を入れて、難易度によって勝敗が決まるような大会だった。
これに触発されない訳がない。

コケて怪我でもしたら仕事に支障をきたす。

そんな事が頭に浮かぶはずもない私はある日、これまでは遠目に見ていたゲレンデ併設のジャンプ台に突っ込むことにした。

ジャンプ台を利用する上手な人が並ぶ順番待ちの列に並ぶと、早速思っていた風景とは違うことを知る。ゲレンデの斜面から反り上がったジャンプ台からその先が全く見えないのだ。

どのくらいの角度で飛び出し、落ちるまでの空間を考えるが全く掴めない。
ジャンプ台に入り込むスピードは上手な人を真似るしかなかった。

私の前に行った人がした技(横に360度周る)がやりたかった私は、見様見真似のほぼノンブレーキで突っ込んだ。ジャンプ台初心者にとっては早すぎるぐらいのスピードでジャンプ台に突っ込んだ末路は、ご想像通り。
カエルのように裏返りながら背中からドンだった。

息もできないぐらいに打ち付けられたが再チャレンジ。
真似ていた上級者に声をかけ、アドバイスを貰いながら何度も何度もトライした。
やはりこういう場合、見よう見真似よりも経験者にアドバイスを請うのは有効的だ。
すぐに改善策がわかり実行にうつせる。
下っ端から這い上がる感も面白い。

なりふり構わず集中して突っ込んでいった結果、帰る頃にはボードを持ちながら360度を地面と変更して周る”サブロク”を会得するようになり、アドバイスをくれた上級者も一緒になって喜んでくれた。

これをきっかけに、負けじと上級者が繰り出していた3D技(縦方向)にも挑戦するようになり、ゲレンデに行く度に同様のステップで上達。ジャンプ台から飛び出した後にバク転をしながら360度回転できるようになったのだ。

同様に友人達も上達したが、通いすぎたのもあって体が冷えに耐えれなかったんだろう。
オイドに大きなボタンができてしまい、またもや上達への道は頓挫した。帰り道に立ち寄っていた楽しみのご飯屋さんで辛い物を食し過ぎたこともあったと思う。
軟弱な京都の街っ子の末路だった。

三代目のコラム 記憶を辿る70話に続く

三代目のコラム 記憶を辿る1話はこちら>>>>

三代目のコラム一覧はこちら>>>

コラム一覧はこちら>>>

 

無題ドキュメント