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三代目 コラム 67話 日記 ブログ 記憶を辿る

ギャルブームでギラギラ

この頃は浜崎あゆみ、モーニング娘。といった面々がTVを総なめしており、我々の頃はFineという雑誌から派生したサーファー系のギャルが主流だったのが、egg.というギャル雑誌が出始めてからは日本独自のギャル文化が街をジャックしていた。

当時を思い返せば、とにかく派手だったと思う。
派手さが若年化していく走りのような時代で、バブルの頃のようなスーツではなく、ラメ糸が編み込まれたニットばかり。ニットワンピにタートルベストなどが主流。とにかくギラギラした感じが大流行の時代である。
この流れの影響で金銀糸などを扱う会社は猫の手も借りたい状況だったようだ。

そんな時に聞いた就職情報。
糸の種類や番手、織や編みの種類に製造方法、まったく何も知らなかった私は”父親の教え通り”一から学ぼうと面接を受け、即採用プラス即出勤だった。たまたま事務の女子が、友人の彼女だったこともあって幸先の良いリスタートを切った。

定時は8時出勤の17時上がり。
お給金は安かったけれど土日祝休だった。

なんとも都合の良いリスタート!
だったはずが、そう簡単に問屋は卸さなかった。

平成 京都市 下京区 寺町通 電気屋街 懐かしい 写真

先に書いた通り、この当時の糸屋は猫の手も借りたい状態。
ストックが置かれているはずの倉庫に糸は常に空だった。

8時に出勤して家路に着くのが23時。
普通糸だけを扱っているだけならこうもならなかっただろうが、ここは金銀糸にカラーを入れたラメ糸を手掛けていて、上がってきた商品の出荷に加え、膨大な注文量に合わせた生産から在庫調整など業務は多岐に渡ったのだ。

およそ1日に課された業務内容はこうだ。
朝イチで大量に入荷した金銀糸を、無駄なく各カラーや注文に併せて消化するように調整する。数量が出たら撚糸屋(ねんし)に持っていき注文、同じ撚糸屋から上がってきた撚糸後の糸を持って帰る。

一つの撚糸屋だけでは間に合わないから、複数の撚糸屋に掛け持ち注文をしており、グルグルと周って回収と発注を繰り返して会社に帰ってくるのが凡そ16時頃。その後ラベルを貼って、個別梱包後に夕方からの出荷に間に合わせる。

この出荷作業も大変で、当日注文で即出荷できる糸はまだ楽なのだが、なんせ人気糸の注文なのだ。1回の注文で全ての出荷が終わることはまずなく、未発送分も含めると上記の調整も含めて頭や帳面はグチャグチャだった。

後年になって食料品を扱うショップは、これらに加えて贈答用や賞味期限も加わってくるから相当労力のいる業界だと知った。近年ではWEBが主流になったこともあり、この頃よりももっと大変になっていると想像している。

三代目のコラム 記憶を辿る68話に続く

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