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ブログの効果

WEBサイトを立ち上げたものの売上ゼロの日々。
なんせWEBサイトという、当時ではまだ得体の知れない物に、抑えた価格とはいえ数十万という会社のお金を使ったのだ。成果の出ない結果に焦る気持ちが生まれていく。
救いは95話にもある催事屋さんが直接商品を見に来たり、各業者さんからの問い合わせが入ってきたことだけ。

こんな状態の中、WEB注文をメールで受けるというスタイルで上手く商売をしていた人が山城の人脈にあった。この方に今後どうしたら良いでしょうと教えを乞うと、「 ブログをしてみたら? 」と提案をいただく。
ブログでさえまだ聡明期だった頃の話だ。

その人のブログは商品の事が20%、残り80%は自身が好きなボクシングの事と時事ネタに触れた内容になっていて、365日欠かさずアップされていた。まだアメーバもなかった時代だったが、幸いにも私のプロバイダーでは無料でブログを立ち上げることが出来た。

早速アドバイスを受けた毎日更新をノルマに運営を始める。
店のこと、商品のこと、サンプル開発のことを中心に日々アップ。

しかしスグにネタは尽きた。
ブログを運営、今ならSNS各種を運営している方も同様だけれど、ネタ作りが想像以上に大変だ。そんなことも考えずに始めたものだから、毎日更新は予想外に大変な作業と情報量が必要なことがスグに判明。

しかし課したノルマはノルマである。
今でこそネタはどこでも転がっていると思うし、無いなりに探し出す。
何ならネタがないなら作ったら良いじゃないかと思うが、こう思えるのはブログのカテゴリーを絞らなかった要因が大きいかもしれない。正くいえば絞ることを知らなかったのだけれど(笑)

料理やプラモデルなど、コンセプトは何でも良いが、カテゴリーを絞ることでファンは付きやいがネタはその中に絞られる。私が立ち上げたブログは、会社のブログとしながらも三代目という立場とプライベートな話との境界線もあやふやで、どんどん公私混同のブログなっていった。

笑ってしまう話だけれど、当時画期的だった”i-pod”をマイルで貰っただの、自身がこだわった自転車のココをカスタムしただのといった内容と一緒に、商品のサンプル作りや店のことを日々アップした。

立ち上げ当初のブログへの訪問数なんて1ヶ月でも数十人程度だったのが、面白いもので、カテゴライズしないブログは日々アクセスが増えていく。中でもアクセスが増加するのは”飲食店”紹介記事や、先に書いた”i-pod”などの世間的に注目度が高い内容だった。

ラーメン屋を開業したかった”あの頃“よりずっと前、物心がついた時から”麺好き”だった私は、個人的に通う店という店を紹介した。主にラーメンだったが、うどんにそば、中華料理と幅を広げていく。
それに合わせるようにアクセスも伸びていくようになる。

商品の魅力を伝えてアクセスを増やす!
というよりは、訪れた100人のうち10人が疑問に思う”何してる人?”に向けて発信し続けていたのだろう。

結果この”行き当たりばったり戦略”で少しづつ、あのラーメン店を調べてたら山城に行き着きましてということが増えていった。

金鉱脈を見つけたように感じた私は、商品の魅力を美しく写したいという思いと、より美しく料理を撮りたいという衝動でカメラにも興味を持ち始める。美味しそうに撮影した画像は浮遊し、画像検索でブログに訪れる人が増えていく。

一億総カメラマン時代になった今では、料理を写す光景は当たり前になったが、当時は飲食店で一眼レフで料理を撮影するなど考えられなかった時代である。店内でカメラを出すのも少しはばかったが、それでも撮影したおかげで店の人とも仲良くなったりと幅が広がる。

催事で地方に行ったときも、マネキンさんで入ってくれた女性達が一様に、このブログで私という人物像に触れ、まるで自分の子供のように接して、応援してくれるきっかけにも繋がった。

結果、仕事内容とプライベートが混ぜこぜになったこのブログは365日休まず10年間継続した。合計3,650記事を書いた訳だが、ブログで知って今でもリピートして頂くお客様とも出会えたし、書くことで20代の若さ故の熱い想いを発信できたのも、このブログだった。
思い出多きブログも、運営元のサービスが終了したことで、今となっては跡形もないのが残念でならない。

このブログを立ち上げて2年ほどだろうか。
ブログへのアクセスやコメントも増え、店と呼べるような店ではない店にも来店数は徐々に増えていく。

やはりこれでは商売とはいえないとの思いもあって、2度目のサイトリニューアル、店舗改装へと繋がっていくのである。

三代目のコラム 記憶を辿る98話に続く

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