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大分での休日

月に一度の帰郷以外は大分で週末をすごした。
工場勤務だった頃は規則正しい就業スタイルで、
ちゃんとした週末があった。

まだ土曜日を休みにするかは企業判断な頃。
確か隔週で土曜日は休み、繁忙期は勿論出勤だ。

朝は家の掃除、昼から別府や大分市内に繰り出した。
繰り出したといってもビジネスホテルを取って、夜は飲みに行くなんて事はなかった。理由は単純、給料の大半を京都で使い果たしていたから(笑)

10万ほどの給料を、完全に気を許せる友人知人のいる京都で湯水のように使い果たし、給料日まで悲惨でひもじい日々を過ごしたような話は独身貴族だからこそ。
今ではやっておいて良かったと思うが(笑)

市内にあった”フォーラス”という商業施設に入るタワーレコードに行き、MTVで得た新譜をチェック、アーケード内にある”五車道”という洋食屋でカレーを食べるか、別府のインスタントラーメン”うまかっちゃん”のモデルになったとされる”なべちゃん”、冷麺ではなく中華そばがオススメの”六盛”が定番だった。

大分県 国東市 国東町 やましろ 山城 ヤマシロ

今のようにスマホを出せばグルメ情報が溢れ出る時代じゃなかったから、数少ないグルメサイトに掲載されるようなお店の情報は精度が高く、その頃に出会った頃のお店は今でも時間があれば行きたくなる。

帰りは無数にあるホテルや旅館が打ち出す日帰り温泉、市営の露天風呂、点在する銭湯などに入って帰る。別府で面白いのは、風呂屋とも呼べないような”風呂場”が数えきれないぐらいあるということ。

別府市は各家庭にある風呂の蛇口を捻れば温泉湯が出てくるような街だけれど、町内に一つずつ近所の憩いの場のように”風呂場”が点在し、入口で100円を入れたら自動ドアが開くシステムの”風呂場”もある。

私のオススメは泥の中に体を埋める”温泉保養ランド”だ。
昭和風情が残る館の奥に、厳密には分かれているけれど混浴温泉があり、大露天風呂が広がるThe 温泉のような場所。決して綺麗なお湯を想像してはダメで、風呂の底なんて見えやしない。

泥の中にも葉っぱや何だと足にまとわりつく環境なのだけれど、地下から湧き上がる鉱泥に埋もれた時の包まれ感は半端ではない。

まさに体の芯から温まる、地球に埋もれていく感じ。
ここではアクセサリーもご法度で、風呂から上がったから良いだろうと付けたアクセサリーも黒く変色してしまい、2〜3日は温泉臭が体から取れないような唯一無二の温泉場である。

機会があれば、ぜひ行って欲しい大分紹介になった(笑)
話を元に戻して次話は死にかけて家業に邁進するしかなくなったサーフィンの話でもしようと思う。

三代目のコラム 記憶を辿る80話に続く

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