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モノホン

ある日、このバーにDJとして参加できる意義をRは真剣に説き始めた。

その日毎に違うファッションを楽しんでいた私は、ダボダボパンツの日もあれば、当時流行っていたベルボトム(裾広がりのデニム)を着用し、人気だった”いしだ壱成”の髪型に似せる日々を送っていた。

そんな私にロールアップしたジーンズを履くならば、真剣にロックンロールを聞くべきで、ダボダボのパンツを履くならばヒップホップかハードコア、レゲエを聴くべきだと彼は説く。

真剣にそのファッションが好きならば、髪型や心、聞く音楽に一貫性があるはずだと説いた訳である。当時のRの言葉を借りれば”本物”。
彼はこの本物にこだわる。

ファッションから入る音楽もあれば、音楽から入ったファッションもあるだろう。
年の差がある兄弟でもいない限り後者は余りない年代だ。いくら私が同年代と比べて洋楽に馴染んでいたとはいえ、ビルボードに並ぶようなポップミュージック。だからこそ、この本物という言葉に何故か心惹かれ、本物とは
何? が生まれた瞬間だった。

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本物

この言葉は時間が経った今でも、私の中に根付いている。
本物ではない似せた染色や似せた”風”の加工技術には、例えコストが安くついたとて全く興味がない。カメラやロケ先、画角やコーディネートに取材先、お客様の目に触れている部分だけでも、こだわりや本物への追求は飽きることがない。

商品へのこだわりは、売価に関わるから難しい問題ではあるのだが、化学染料を用いた”藍染風”ではなく、藍が自然発酵し、人の手で何度も何度も重ね染められた”本物”にこだわる傾向が強い。
私の中で”風”は御法度であるのだ。 

こういった事情もあってか、ファストファッションには敵わない価格、ファストファッションが敵わない品質になってしまうのが現状。幸い山城のお客様は目の肥えた”本物”を知るお客様が多い。

メッキではない”純”を求め、信じてお越しくださるからこそ嘘はつけない。
今の私を形成するに至った出来事の一つである。

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