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京ちぢみ やましろ 山城 コラム 記憶を辿る 113話 取材

ムーブメント

そんな事を繰り返していると大きな流れに直面する時がくる。
それは何気ないお客様との会話から生まれた。

「この白のステテコ、迷彩柄とかないですか?」

Adobeを使って遊びで作ったテキスタイルを、ステテコに重ねたイメージを

これ可愛くないですか?

当時ブログでも発信していた問いに応えるようなお客様の声。
これは、ブルーオーシャンであるのは明白だった。

時が来たのか? とテストマーケティングで派手な色や柄の布帛生地を仕入れて、楊柳生地ではないステテコを発売すると瞬く間に売り切れた。

生地を仕入れて作っては売り切れるを繰り返し、業者向けの生地屋さんが持つm在庫を全て消化するほどに好調だったのだ。

アフリカやインド、スリランカなどといった気温の高い国で愛されている色柄のテキスタイルを仕入れたこともあった。
ステテコというアイテムであること、私がポップなテキスタイルが好きなこと、催事で学んでいた派手な色や柄の方が”人の目を惹く“ということを多いに意識した仕入れであった。
年齢的にも”攻め“があったのか? と今は思うけれど(笑)

このテストマーケティングからの好調が功を成し、それまでオリジナルテキスタイルを作ることに猛反対していた社長からのGOが出るようになった。

説明しておくと、柄を生地に乗せるには”“と呼ばれるものが必要で、1柄は1つの版で染色できるのではなく、1色乗せる毎に1版が必要だ。要は1柄の中に3色入っていれば3版が必要になるが、これが結構高い。
およそ1版に諭吉2人は必要だから、3色入った柄を作れば6人である。

このコストを50枚作って1,200円、100枚作って600円とコストとして入れることができれば良いが … という訳で会社としては必要経費、いや投資案件となる訳である。この社長からのGOだけに数年費やした経緯があったのだ。

梅田 阪急 コンコース 特大掲示板

その後も1サイズだったものがご要望でサイズが増えていく。
初期には鳴かず飛ばずだったWEB販売も好調に動き出し、今までは日陰だった日本の伝統的なアイテム”ステテコ“に陽が当たり始める。

同時期に梅田阪急に出展した際には、通りゆく人々に訴求するコンコースに飾る催事情報にもデカデカと”ステテコ“が掲載されたことがあって、毎日持ち込んでも売り切れる、ピストンしても売り切れる。
在庫切れを起こしてバイヤーさんに謝る事態にもなった。

そしてあらゆる所から取材依頼が入ってきた。
新聞に雑誌、FMにAM、民放各社に国営放送まで。

そういえば美形男性アーティストの帯番組に商品を貸し出し、彼らが出るや否やその商品が即完売! というような台風を味わったのもこの頃だ。人生初の”追い風“、”乗っている状態“を感じた瞬間だった。

この事態には世間で起こっていた一つのムーブメントが大きく関与していて、それは”steteco.com“というサイトが脚光を浴びていた余波でもあった。

三代目のコラム 記憶を辿る114話に続く

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