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モテ道を極める

悪っぽい話も飽きてきた頃、ここで間抜けな話でも挟んでおこう。
高校生といえば超絶多感な時期、私自身がそれまで音楽へと向いていたベクトルは、今まで以上にモテ道へと向かい始めた。何かが流行っていると聞けば、すぐに飛びついた当時、モテアイテムの一つと言えば”香水”もその一つだ。

中学時代は京極にあったシャルでゲットしたギャッツビー、当時はテイスティングなどなく、実際の香りも嗅がずにブランド名だけで買ったラルフローレン(おっさん臭くてすぐやめた)などを用いて、他と差をつけようと足掻いていた。

それが高校終盤ともなると、まだ日本には入っていないGAPや、RRLなどを買い付けた並行輸入ショップが爆儲けしていた頃。資本が小さいから、およそ全てが1点物のような店内のショーケースに並ぶ”カルバンクライン/CK-ONE”に私は”モテ”を求めた。まだまだ輸入されてくる商品は限定的だった時代、これは男女問わず大好評。私は有頂天になり、モテ道まっしぐらを確信。
人と接触する度に、これ何? 何つけてるの? だったからだ。

爽やかな柑橘系の香りだったCK-ONE。
同年代の方なら覚えのある方も多いはずだ。
来る日も来る日も身につけ、それでも飽き足らず部屋にも噴霧。

こうなってくると鼻が麻痺する。
当初は手首だけだったものが、次は首という首、その次は腰といったように度を超し始め、求めていたモテ道とは逆行し出す。「何この香り? 」と好意的だった反応が「あんた何?」に変わっていった。

たまに派手なおばさんと擦れ違う際、香水でも飲んだのか?
というぐらいに嗅ぐわしい時があるが、あれと同じだ。

手首だけにつけていたものの、量が多くなっていたんだろう。
そういえば母親が早くから「あんた何?」を繰り返していたのを思い出す。
親や仲間の忠告は、よく聞いた方がよかった。と振り返って感じている。

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話は前後するが、そういえば香り問題でもう一つエピソード。
CK-ONEでモテ道は極められないと自覚した頃、早婚した子が溜まっていた所に遊びに来ていて、女子達が「可愛い可愛い」とはしゃいでいた。その時に私の耳が拾ったワード「うわ〜ぽんぽんの香りする〜」
この瞬間、次の香りは”ぽんぽん”に決定した。

こう呼ぶのは京都だけだろうか?
最近はほとんど見かけないが、昭和の時代、小さい子はほとんど首なんかに塗布された正式名はシッカロール(てんか粉)である。夏の夕暮れ時、早々に風呂に入らされた同じ朝倉町内の同年代は全員つけていた気がする。
そんな事もあって、今でも何だか落ち着く香りである(笑)

速攻で薬局に向かい、風呂上がりの子よろしく振りかけた。
優しい香りで発汗も抑えられ、蒸れる部分が常にサラサラになって相性抜群。風呂上がりのルーティーンに加わった体への添加、これも日に日に度はすぎ、遂に首へ添加し出していた。

粋がっていた当時の私である。御法度だろう。
誰にも見られない、寝る前だけにしておくべきだったのだ。

風呂上がりルーティーンをこなし、ゆっくりしていたその日ポケットベルが鳴った。
ある女子から”5151814(こいこいやちよ)”と打たれており、「あぁこないだ言うてた本を持って来い言うてんなぁ」と思った。しかし時間が時間である。男である私は、本を口実にした誘いだと思い、持って走ったのが運の尽き。
20時を過ぎるかどうかの時間帯、まだまだ人通りは多かった。

裏寺の八千代公園に着き、本を渡そうとしたその瞬間

「えっ? なに? なんで首白いん?」

見る見るうちに私の顔が青ざめていったのは言うまでもない。
優しい香りに包まれながら、乙女心が離れていったエピソード。
そういえば、この時も母親は「なんで今更ぽんぽんなん?」と言っていた。

三代目のコラム 記憶を辿る 40話 に続く

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