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スキンズ

ボンテージパンツにクラッシュTシャツ、ベレー帽にドクターマーチンといった出立ちが、パンクを聞くものにとってのファッションだったが、あまり好きになれなかった。

ミルクボーイに代表される少し可愛い感じで男感が無かった事も受け入れ難い要素だったのだが、一方でエクスプロイテッド宜しくな超ハードモヒカンにライダースジャケットというスタイルにも消極的だった私が受け入れてしまったのがスキンズスタイルだ。

よく考えて欲しい。

甲子園を目指す球児よりも短いゼロミリの高校生である。
通った高校が私服校だった事だけが、ただ一つの救い。
儀式のように夜毎洗面台で行われる剃毛修行。父親のシェービングフォームを頭に塗りたくり、白いヘルメットのようになった頭部を剃る高校生。

赤面しか残されない過去だが、当時は真剣そのもの。
一つ教訓としてお伝えするなら、剃毛頭は服が脱ぎにくい。
これだけである。

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30話でも少し触れたが、イギリスの労働者階級を隠そうとしたのがモッズスタイル。
攻撃的にアピールしたのがスキンズスタイルだった。

彼らの愛読書はヒットラーの書いた”我が闘争”という引くほどの右側通行。
当時、日本語訳を読んでみたがサッパリ分からない内容だった事を思い出す。

日本も同様だと思うが、若い頃のエネルギーを悪い奴は利用する。
70年代イギリスの世相を象徴する半グレ組織といった所だった。

こうして出家と同時に音楽の追求も始まったのだが、まずOiパンクの情報が皆無だったのには困り果てた。全てが手探り状態。
今でこそGoogle先生に聞けば歴史やファッション、音楽まで教えてくれるが、当時、情報はゼロに近かった。

とりあえず持っている情報としてのファッションは、ポロシャツにサスペンダー、七部丈までロールアップしたデニムから覗くのは鉄板入りの20ホールもあるブーツスタイルという事まで。
洋書で得たスウィングトップやベンシャーマンのボタンダウンシャツなどを着用するのは後々のことだ。

シャム69にザ・ビジネス、コックスパラーやブリッツにフォースキンズなどがお気に入り。
ただ情報がない上にOiパンクのレコードは、その成り立ちもあって極限までに枚数が少ないこともあって、かなり希少性が高く、京都のレコード店で手に入ることはなかった。

ただパンク専門誌”DOLL”の発売日に併せて、新宿のレコード店が蟻の字ぐらいの文字で入荷情報を掲載しており、これが唯一Oiパンクのレコードを手に入れられるチャンスだ。

CDで良かったんじゃないの?

こう思った方には申し訳ないが、そこにセンスは感じられない(笑)
日本の歌謡曲レコードが、今や大陸を超えてEUで高額取引されるぐらいにVinylレコードへの信者は多く、雑味のある音が人を未だに惹きつけているのだから。

さてOiパンクレコードの入手方法だが、DOLLの発売日は本屋の開店が10時、レコード店の開店が12時、この2時間に蟻の字の中から欲しいレコードにマーカーを引き、時報と同時に公衆電話から電話をかける。
1秒でもズレたら新宿のレコード店は鳴り止むまで出てくれない。
コンサートチケットを買うために、ぴあなどに電話した事がある人なら分かるだろう。独特のスリルを味わいながら、蟻の字ほどで書かれた銘柄を指定し、代引きで購入する。

この方法を得てから飛躍的にOiパンクのレコードや知識は豊富になっていき、Fish&ChipsでDJしないか?という流れになっていくのである。余談だが、あのドキドキ感は、後年の話でもお伝えする事になる”転売”でBotを駆使していく事にも繋がっている。

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