京都 あぶり餅 × 裏起毛ピケ コーデュロイ イージーパンツ
2022年、年が明けて少し遅い初詣へと出かける。京都の冬は寒い。京都人風に言うと「底冷え」というやつだ。
足元から冷え込む京都の冬には、温かなパンツが必須アイテム。化学繊維のインナータイツを履かなくても、内側は綿素材の起毛だから、素肌に触れるほどに心地よい温もりが広がっていく。
表生地はコーデュロイで見た目の温かさはもちろん、寒さから守ってくれるのが嬉しい。
京都洛北にある今宮神社には、何百年も前から変わることなく、訪れる人々を優しく美味しく迎えてくれる門前スイーツ「あぶり餅」が有名だ。
今宮神社境内で、「かざりや」「一和」の餅菓子「あぶり餅」は、細い竹串に、親指ほどの大きさの小さなお餅をこんがり焼いて、まったりと味わい深い白味噌のタレがかかった歴史ある逸品。
京都人には、贔屓のお店があり、ほとんどが子供の頃から祖父や祖母に連れられて、どちらかのお店に訪れている。「うちはかざりやさん、私は一和さん」みたいな感じだ。
ほどよいテーパードのこのパンツは、スタイルの美しさだけでなく、歩きやすさも魅力の一つ。石畳の道をゆったりと進めば、あぶり餅の焼ける香ばしい香りに包まれて、ふわりふわりと店先へと導かれるようだ。
趣のある店舗は、まるでタイムスリップしたような不思議な感覚。一歩踏み入れば、歴史上の人物に会えるような気にもなるから、京都はやはり奥が深い。
上着を脱いで腰掛ける。防寒用につけてきたスヌードはモダンな雰囲気で、高層ビルが立ち並ぶ都会にも、歴史ある建造物に囲まれた古都の雰囲気にも自然と馴染む美しいムラ染め。柿渋と墨染の繊細さがお気に入り。
ダブルガーゼ素材は、柔らかく温かい。この水墨画のようなニュアンスのスヌードは、我ながら、歴史ある店にぴったりだと嬉しくなる。おしゃれはさり気なく、場所の雰囲気にも合わせるのが大切。
座ればすぐに運ばれてくるお茶。急須から注げば、ふわっと湯気が立ち、両手で包み込むように、温もりを独り占め。ぼんやりと、あぶり餅が焼けるのを待つとしよう。
ほどよいゆったり感のコーデュロイパンツは、おしゃれだけでなく実用性も兼ね備えているのが良い。座ればより裏側の起毛生地が肌に触れ、ゆっくりと温もりが行き渡るのを感じる。ベージュと黒の2種類あったが、悩んだ末に黒をチョイス。お気に入りのNewBalanceのスニーカーに合わせたかったのと、どんな装いにもしっくりとくる自信があったから。
運ばれてきたあぶり餅は、一口サイズでありながら、奥深い味わいが広がる。また一つ、また一つと口に運ぶたび、受け継がれてきたこの味わいの虜になっていく。
歴史上の人物も口にしたのだろうか。白味噌の優しく甘いタレ、焦げ目のついた香ばしさ。シンプルであるからこその魅力は、スイーツもおしゃれも最高のご褒美であると確信する。
美味しいものに出会えば、誰かに伝えたくなるものだ。妻ともこの喜びを味わいたくて、思わずお土産を注文する。
「ご馳走さま」と、軽く手を合わせて、立ち上がる。名残惜しくもあるが、この名残惜しさこそ、小さな旅の魅力でもあるのだ。石畳の道を進む頃には、妻の喜ぶ顔が楽しみになってきた。
【 ご紹介商品 】
■宝島染工別注 二重ガーゼスヌード
Fサイズ (長さ 約80cm×幅 約25cm) / 14,300yen(税込)
■裏起毛ピケ コーデュロイイージーパンツ
ブラック | Black / Small / Medium / Large / 11,000yen(税込)
キャメル| Camel / Small / Medium / Large / 11,000yen(税込)
【 あぶり餅 本家 根元 かざりや 】
■住所
京都府京都市北区紫野今宮町96
TEL 075-491-9402
■アクセス
京都市営バス46系統
「今宮神社前」から歩いて3分
■営業時間
10:00~17:00 日曜営業 / 水曜定休
(1日・15日・祝日の場合は営業で翌日休)
【 ご紹介スライドショー 】